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3.11 それぞれの時 そして明日へ

沿岸応援プロジェクト

地域で孤独による死や自殺から守っていかなければならない

SELPわかたけ 所長 昆野 香代子さん、事務局長 菊池 俊則さん(宮古市)

プロフィール:社会福祉法人若竹会は岩手県宮古市で障害者支援施設、特別養護老人ホームの運営を行っている。「SELPわかたけ」はその施設の一つで、鮭の皮を加工した小物やパンを製造している。

グループホーム4か所が津波により全壊、半壊に

「まさかここまで津波が来るとは思わなかった」。
津波は海から2㎞程も離れた事務所の手前まで来た。避難所に指定されていた宮古小学校の校庭にも津波が押し寄せた。
市内の人たちも何が起きているか分からず、皆家に帰ろうとして津波に向かって車を走らせてしまった。
信号が止まって右往左往する車の誘導を事務局長の菊池さんが行い、一晩、施設の利用者と沿岸広域振興局宮古地区センターに避難した。宮古消防署一帯は家に帰れない人達の車でごった返していた。

 障害者グループホームに残っている利用者は職員が車で助けに行った。若竹会が運営しているグループホーム17ヶ所中・4ヶ所が津波による全壊、半壊の被害を受けた。
被害を受けた施設の利用者はその後、無事だったグループホームに移った。

多くの人に次の災害に向けて何かを学んでほしい

 震災後はずっと利用者の安否確認にあたっていた。ガソリンがなく電話もつながらず、全員の安否が確認できるまでかなりの時間がかかった。
全国から応援に来てくれたボランティアの方の斡旋、調整を行うと同時に「ほかの地域の仲間を何とか助けに行きたい」と炊き出しにも行った。
ボランティアの方たちも震災に対して本当に危機感を持っていると感じた。現状を見た多くの人に、次の災害に向けて何かを学んでほしい。

仮設住宅もバリアフリーに

 今は避難所から仮設住宅を立てて住まいの場を提供しようとしているが、仮設住宅そのものがバリアフリーではなく、使い勝手が悪いとの話を聞く。
介護ステーションを1つ置いてその周りに仮設住宅を立てる、という構想があれば良いと思う。

 全て元には戻らないと思うけど、インフラが戻れば生活は立ち直るのではないか。それまで周りの皆さんに一時のブームで終わらない、長期的なご支援をお願いしたい。

懸念される孤独死・自殺

震災以降、時間と共に支援のニーズは変わると実感している。
今は仮設住宅での孤独死・自殺の問題が懸念される。ただでさえ雇用の場が少なく人口が減っている過疎地である。
それを地元のみで支えるのはなかなか難しいが、少なくとも弱者の孤独による死や自殺から守っていかなければならない。

弱者の孤独による死や自殺から守っていかなければならない。

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◆社会福祉法人 若竹会
(事務局長 菊池 俊則さん、SELPわかたけ所長 昆野 香代子さん)

社会福祉法人若竹会は岩手県宮古市で障害者支援施設、特別養護老人ホームの運営を行っている。「SELPわかたけ」はその施設の一つで、鮭の皮を加工した小物やパンを製造している。